〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

高田松原の啄木歌碑再建までのこと

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啄木歌碑再建まで

12月27日、陸前高田市高田松原津波復興祈念公園で東日本大震災津波で流失した後、再建された歌人石川啄木の歌碑の除幕式が開かれました。

この啄木歌碑再建につきまして、石川啄木記念館館長の森義真さんより詳しい経緯をお知らせいただきましたのでご紹介します。

 

石川啄木記念館館長の森義真さんより
戸羽太陸前高田市長曰く、「雪は降っても積もることはほとんどない<岩手の湘南>と呼ばれている陸前高田が、雪と寒さに震える本日にもかかわらず、東京から啄木のひ孫の石川真一さん、盛岡からもたくさんの方々においでいただいて、この歌碑の除幕式を迎えたことは大変喜ばしい…」というように、真冬日の寒さと風の中、なんとか除幕式を行うことができました。

今回の碑が高田松原における3基目の啄木歌碑です。
昭和32年陸前高田市と有志の方々により、船越金五郎揮毫の歌碑(命なき砂…)が建ったのが最初です。この碑は昭和35年チリ地震津波で流失してしまいました。 昭和41年に再び金田一京助揮毫の歌碑(いのちなき砂…)建てられた後、最初の碑が海中から見つかり、現在は氷上神社境内にあります。
この 2基目の碑が長い間、高田松原の啄木歌碑として親しまれていましたが、平成23年3月11日の東日本大震災津波で流失、今も見つかっていません。
こうした背景の下、石川啄木没後100年を記念して実行委員会が立ち上がり、多くの方々からいただいた寄付金をもとに3基目の歌碑(石川真一さん揮毫、「頬につたふ…」)が、平成25年11月14日に震災遺構横に「仮設」されました。ゆくゆくは、高田松原の奇跡の一本松を中心とした「復興祈念公園」が完成した時に「本設」しようとしたものです。
それが、前日(12/26)に国営の「高田松原津波復興祈念公園」の完成式典が開かれたことを受けて、12/27に3基目の啄木歌碑が「本設置」されたわけです。