-生薬ものしり事典112
正月飾りに使われる「ユズリハ」
何となく 今年は良い事 あるごとし
元旦の朝 晴れて風なし 石川啄木
- 石川啄木が詠んだように新しい年を迎えた日は、昨日とは何かが変わったわけではないですが、特別な感じを受けます。改まった年の行事に欠かせない植物はいくつかありますが、ユズリハもその一つです。ユズリハの古葉は3年越しで新葉と入れ替わります。新葉が出てきて古い葉が落ちるので、代を譲るかのように見えます。それが新旧交代を示しているからと、縁起物として正月の飾りに使われてきました。
- ユズリハをおめでたい儀式で用いるようになったのは、神仏の供物をのせたのがはじまりといわれます。その後、正月の飾りに用いられるようになりました。日本名の譲葉は、新旧の葉の入れ替わりが著しく目立つために付けられました。(出典:牧 幸男『植物楽趣』)
(2021-12-23 月刊 元気通信 Yomeishu)
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