〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

2館で「啄木鳥探偵處」展 -史実と作品の関連性 -手紙にみるリアルな姿

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サクラ

2館で「啄木鳥探偵處」展 石川啄木記念館(~9/12) 野村胡堂・あらえびす記念館(~9/30)

石川啄木が主人公のアニメ「啄木鳥探偵處」(きつつきたんていどころ、原作・伊井圭)を扱った企画展が18日から、盛岡市渋民の石川啄木記念館(森義真館長)と紫波町彦部の野村胡堂・あらえびす記念館(杉本勉館長)で始まった。アニメでは啄木や金田一京助ら本県出身の人物が忠実に描かれており、その人間模様もうかがえる展示内容となっている。

 

石川啄木記念館の展示内容は、「アニメの世界」「アニメと小説の舞台」「小説の世界」「リアル石川啄木」の4章立て。史実と作品の関連性を詳細にひもといている。

同館主任学芸員の佐々木裕貴子さんは「アニメでたくさんの史実が織り交ぜられていることに驚いた。一瞬しか映らない〝不来方のお城の草に寝ころびて空に吸われし十五の心〟の歌の文字も、啄木の肉筆を集めて作画されていた」と紹介。製作委員会のこだわりが随所に反映されているという。

啄木の短歌だけでなく、アニメの舞台となった明治の東京浅草を象徴する「凌雲閣」やマッチ、カメリアのたばこ、二銭銅貨など、幅広く紹介し、興味が深まる構成となっている。

9月12日まで。詳しい問い合わせは電話019―683―2315へ。

 

野村胡堂あらえびす記念館の方は、特別展「胡堂交遊録~アニメ啄木鳥探偵處と実在の文士たち」。作中に登場した実在の文士たちから胡堂のもとに届いた直筆の手紙や随筆など18点を展示。アニメでは描かれなかった実際の文士たちの友好関係や、リアルな姿を紹介している。

作中では、「人情に厚い兄貴体質」と描かれた胡堂。物語の主役を務める石川啄木との関係については、啄木の盛岡中学時代の友人で、胡堂の盛岡中の後輩にあたる岡山儀七(不衣、1885~1943)が手紙の中で「あの時代だって、啄木のほんたうに畏敬した先輩はあなた様(胡堂)であったと存じます」と記しており、交友関係が周囲にも伝わっていたことを示している。

9月30日まで。問い合わせは電話019―676―6896へ。

(2021-05-19 盛岡タイムス)

 

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