〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

本格的な空の時代 岩手県人が重要な役割… 啄木との奇遇

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コウメザクラ

<高く飛べるを・2~岩手もりおか航空史>空の先覚者の2県人 第一次大戦をドイツと 陸軍の長澤、海軍の上野

 日本は1914(大正3)年、第1次世界大戦に連合国側から参戦し、中国山東省の青島を租借していたドイツ要塞を攻略した。わが国はこの戦いで本格的な空の時代を迎える。陸海軍がフランス製「ファルマン」機で爆撃を行い、岩手県人が重要な役割を果たした。陸軍の長澤賢二郎(1885―1965)=盛岡市出身と、海軍の上野敬三(1891―1985)=雫石町出身。空の先覚者として航空隊を養成した2人には、石川啄木との奇遇があった。歌人が詠嘆した蒼空に、やがて日米の死闘が待ち受ける。陸海の将帥として太平洋の落日を見届けたのち、兵を語ることはなかった。(鎌田大介)=毎月1回連載します。

  • 長澤は盛岡中学で啄木と同級。素養団をつくるほどのバンカラで啄木とはそりがあわず、後輩に歌人の文弱を嘆いてみせた。
  • 上野は兄の廣一が洋画家で啄木の同窓。婚姻の媒酌人をするほど親しかったが、啄木に式をすっぽかされ絶交した。原敬の支援でパリに留学し、肖像画家として大成した。敬三は廣一の2番目の弟。

(2021-03-29 盛岡タイムス)

 

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