〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

柳が芽吹く ふるさとの岸辺 啄木

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シダレザクラ

みすず野

  • 「やはらかに柳あをめる/北上の岸辺目に見ゆ/泣けとごとくに」は、石川啄木の代表歌の一つである。やさしい黄緑色の柳が芽吹く、ふるさと北上川の岸辺が目に浮かび、その光景は泣けとごとくだ、というのだ。啄木らしい情緒的な歌。
  • ここ松本の奈良井川の河川敷の柳も、やわらかく芽を吹いて、おお、春が来たと感じさせてくれる。柳で思い出したのが東京銀座のそれ。西條八十作詞、中山晋平作曲の「昔恋しい 銀座の柳―」の「東京行進曲」が空前のヒットを飛ばした昭和4(1929)年当時、銀座の柳は関東大震災を経て、プラタナスに変わっていた。

(2021-03-29 市民タイムスWEB > 松本・安曇野塩尻・木曽 信州の地域紙)

 

2021.3.29 みすず野 | 連載・特集 | 株式会社市民タイムス