筆洗
青森生まれの寺山修司は、中学生のころ、望郷の思いを短歌にし…
- 青森生まれの寺山修司は、中学生のころ、望郷の思いを短歌にした。一度も故郷を出たことがなかったにもかかわらず、作ったという。<ころがりしカンカン帽を追うごとくふるさとの道駈(か)けて帰らむ>。
- 岩手を思った石川啄木、晩年の病床でも故郷山形の風光を歌にした斎藤茂吉も。どうしてだろう、東北ゆかりの歌人に、望郷の念は分かち難い主題のようでもある。思いを募らせる力が東北の人柄と土地にあるのかもしれない。
- 桜の咲くころか。人々と分かち難く結び付いた投手の姿が楽しみである。
(2021-01-30 東京新聞)