俵万智、短歌でホストや高校生とつながる「若い人のリズム感ってすばらしい」
短歌を通じてホストや高校生といった若者世代とも交流のある歌人の俵万智さん。作家・林真理子さんとの対談では、若い人の表現方法の一つになった短歌の話で盛り上がりました。
林:新聞のほかにも、いろいろ選者をなさってるんでしょう?
俵:そうですね。若い人たちにも短歌がすごく盛んになってきていて、宮崎で「牧水・短歌甲子園」という高校生の短歌の大会の審査を10年ぐらいやっています。盛岡には啄木の「全国高校生短歌大会」があって、大伴家持ゆかりの高岡(富山県)では「高校生万葉短歌バトル」というのがあります。今月この三つの大会の優勝校が宮崎の音頭で交流戦をするんです。学生短歌会という大学生の短歌会もどんどんできていて、若い人にここまで広がっている要因の一つは、SNSの影響かなと思います。
林:俳句は夏井いつき先生という方が出てきて、けっこう皆さんに浸透した感じですけど、短歌はちょっとハードルが高いというか、おハイソな方がやるものだという感じがあるじゃないですか。俳句はまだ庶民的な感じがしますけど。
俵:枕詞とか序詞(じょことば)とか、古い技法はいろいろありますが、短歌は俳句の季語のような決まりはなくて、五・七・五・七・七の型だけが決まりなので、そんなに難しく考えなくても大丈夫です。
(構成/本誌・松岡かすみ 編集協力/一木俊雄)
※週刊朝日 2020年11月27日号より抜粋
(2020-11-23 週刊朝日)
俵万智、短歌でホストや高校生とつながる「若い人のリズム感ってすばらしい」 (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)