(古典百名山:81)
北原白秋「邪宗門」 平田オリザが読む
詩壇に革新、象徴詩を確立
空に真赤な雲のいろ。
玻璃(はり)に真赤な酒のいろ。
なんでこの身が悲しかろ。
空に真赤な雲のいろ。
- しかし、多くの人々は、そこで何を書けばいいのかが解らなかった。漱石、藤村、白秋、あるいは啄木といった天才が現れて、新しい器に、盛るべき料理を作った。それは張りぼての国家だった明治日本が、曲がりなりにも「近代国家」の体裁を整えていくのと軌を一にしていた。(劇作家・演出家)
(2020-06-20 朝日新聞)