〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

浜辺の潮騒のなか 啄木のつぶやきが… 函館

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カエデ

【東海の小島の磯】石川啄木

 ライカ北紀行 ―函館― 第39回

   西野 鷹志  エッセイスト・写真家

天気が良いので、コンブ、イカ、ウニの匂いがただよう大森浜の砂をふんで、啄木小公園から函館山へむかってそぞろ歩いた。

石川啄木は、大森浜の浜辺を散策して『一握の砂』を詠んだ。

東海の小島の磯の白砂に
われ泣きぬれて
蟹とたはむる
―我を愛する歌

 

潮かをる北の浜辺の
砂山のかの浜薔薇(はまなす)よ
今年も咲けるや
―忘れがたき人人

浜辺の潮騒のなか、啄木のつぶやきが聞こえた―小さな蟹は足元を這いまわるが、あの砂山は消えてしまった。

 

道案内
 啄木小公園 バス「啄木小公園前」から徒歩1分(地図へ)
(2020-04-25 nippon.com)

 

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