本と人と
『胡堂と啄木』 郷原 宏さん
- 著者自身、大の平次ファンで、学生時代から啄木歌集を持ち歩いた詩人です。その「二つの目」が2人をリンクさせ、みえてきたものは ── 。
- 胡堂は東京大法科に入学したものの、家の没落で授業料が払えず中退し、「報知」の新聞記者に。のちに江戸の捕物帖を副業で書いて超ベストセラー作家になりました。
- 啄木が中学を中退し、東京に受験準備中の胡堂を訪ねた際、「中学は出たほうがいい」と助言し学校探しをしたことや、有名人を訪問する啄木に多くが面会謝絶したことを随想で “天才を見る目” がないと評していることを紹介。「啄木からの手紙7通を大事にし、『私の宝だ』と保存していたんですよ」(澤田勝雄)
(2020-02-16 しんぶん赤旗)