風土計
- 弊社の目の前、盛岡市内丸の鶴ケ池ほとりのシダレヤナギが倒れた姿に、心を痛めていた。見慣れた美しい光景が変わるのは何とも言えない。間もなく撤去されると本紙報道が伝えている。
- 石川啄木にもまつわる1本を含め、先の台風19号の強風で倒れた。同様に街の木が倒れた例は、各地で多かったことだろう。実は拙宅そばの道路沿いの木もその時に被害に遭った。日頃何気なくそこにあった木が1本なくなっただけで風景が変わった。
- 一方で管理の大変さも思う。木々を取り巻く状況はさまざまだ。電線と接触している木。歩行や自転車走行を妨げている木。よりよく共存するにはどうするか。景観、安全などの要素が絡む問題を考えていきたい。
- 鶴ケ池では、残る1本も伐採されるという。樹木診断で内部の空洞化が判明しているのでは仕方あるまい。長年潤いを与えてくれたことに感謝しつつ、お別れしたい。
(2019-11-30 岩手日報)