風土計 [岩手日報]
- お盆に親戚宅を訪問した。兼業農家で新鮮な食べ物をいただくのが楽しみの一つだ。トウモロコシも出されたので、てっきり自家製と思ったのだが、買ってきたものだという。どうして?と尋ねると「カラスにやられた」と嘆いた。
- 9千年の歴史を持つこの穀物は、アメリカ大陸の先住民が栽培を続ける中で品種が分化。日本には16世紀に伝来。明治時代になって北海道などで本格的な栽培が始まり、庶民の生活にも浸透した。石川啄木は札幌の印象を「しんとして幅広き街の/秋の夜の/玉蜀黍(とうもろこし)の焼くるにほひよ」と詠んでいる。
- 愛され続けるトウモロコシ。ただ、そのおいしさを知る動物からどう守るか。環境対策を含め、知恵が試されているようだ。
(2019-08-17 岩手日報)
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