〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 故郷は心和む 〈ふるさとの 訛なつかし…〉


[ツリガネニンジン]


JR上野駅にある石川啄木の歌碑に [四季]

  • JR上野駅にある石川啄木の歌碑に〈ふるさとの 訛(なまり)なつかし停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく〉。やはり故郷は心和む。
  • 「おはよう名歌と名句」選者で俳人の宮坂静生さんが唱える“地貌(ちぼう)季語”に共感を覚える。宮坂さんは土着の言葉にこそ顔=貌(かお)があると言う。そこにしかない人間の暮らし。それを捉えた言葉に、耳を澄ませば風音や水音が聞こえてくる。地場の大気の流れと共に生きる。まさに命を宿す色あせない“言の葉”が生い茂る。風土という言葉はかっこ良過ぎないかとも思う。この二文字では言い表せない。
  • きょうは二十四節気の「処暑(しょしょ)」である。今年は、暑さへの特別の思いが募る。それぞれの地域で地貌季語を生かした一句でもいかがか。

(2018-08-23 日本農業新聞


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