〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 映画『終わった人』夢なし趣味なし仕事なし 啄木でも勉強するか! 6/9

映画『終わった人』全国ロードショー
  終わった人』(内館牧子 著 講談社)の映画化
・2018年6月9日 全国ロードショー

仕事一筋だった主人公は定年を迎えて職探しをするが…。
生き甲斐を求め、居場所を探して、惑い、あがき続ける男に再生の時は訪れるのか?


盛岡市出身の主人公。
定年になり、朝起きてから夜寝るまで何もやることがなく、世間から“終わった人”と思われるようになった。「このままではマズイ」と感じジムに通ったりするが上手くいかない。

俺は窓際の席に座り、たった今買ってきた本を取り出した。石川啄木の『悲しき玩具』だ。
この歌集をなぜ買ったのか。自分でもよくわからない。同じ盛岡で学んだ偉大な歌人を誇るほど、俺は故郷を想ってはいない。


『一握の砂』を開く。
「こころよき疲れなるかな 息もつかず 仕事をしたる後のこの疲れ」という一首があった。
しみた。明治四十二年に作った歌だとう。
  (原作より)


笑って、泣いて、それでも生きていく。人生はまだまだ終われない!