〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 啄木や賢治が青春を過ごした町 盛岡


[河津桜]


〇旅空子の味な旅
 歴史と詩情豊かな自然と城をたたえる町・盛岡

  • 岩手山を仰ぎ、北上川、中津川、雫石川が市街を流れる盛岡は江戸時代、南部氏20万石の城下町。以来、岩手の中心都市として人口29万7000余を数える県都である。石川啄木宮沢賢治が青春を過ごした町としても知られている。
  • 「ふるさとの山はありがたきかな」と刻んだ啄木歌碑のある駅前から、早速、都心循環バス“でんでんむし号”に乗車。最初に開運橋を渡る左回りコースで、盛岡城跡公園はすぐだった。盛岡城の二の丸跡には「不来方のお城の草に寝転びて空に吸われし十五の心」の啄木歌碑と「願はくばわれ太平洋の橋とならん」の新渡戸稲造記念碑があった。
  • “でんでんむし号”のルートからは石川啄木が新婚の3カ月ほど暮らした、盛岡で唯一残る武家屋敷の「啄木新婚の家」や宮沢賢治のモニュメントのある「いーはとーぶアベニュー材木町」が近く、バスと歩きで3時間の市内散策が楽しめた。(文・写真 中尾隆之)

(2018-03-06 朝日新聞デジタル


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