〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 啄木の歌を詠み直すことで、生き生きとしてきた


[フユザクラ]


啄木の歌をケセン語に訳したおんばの朗読会 北上

  • 岩手の歌人石川啄木の短歌を気仙地方の方言「ケセン語」訳で鑑賞する催しが23日、北上市日本現代詩歌文学館であった。「おんば(おばあさん)」の朗読を聴き、来場者は言葉が持つ深みや啄木の短歌の魅力を堪能した。
  • 「おんば訳啄木」は、詩人の新井高子さんに同館が協力した震災被災者の支援策から生まれた。成果は「東北おんば訳 石川啄木のうた」(未来社刊)として形になった。その編集に携わった大船渡市の詩人金野孝子さんが年季の入ったケセン語で啄木の歌を朗読した。

 ふるさどの訛(なまり)ァ懐(なづ)がすなぁ 停車場(てーさば)の人(ひど)だがりン中(なが)さ 聴ぎさいぐべぇ
 (ふるさとの訛なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく)

  • 金野さんは「震災で被災した人たちも自分たちの言葉で啄木の歌を詠み直すことで、生き生きとしてきた」と話した。(斎藤徹

(2017-12-25 朝日新聞


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