〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 <よごれたる手を見る―>石川啄木 加計(かけ)学園疑惑浮上


[グミ]


「手心」[卓上四季<北海道新聞

  • 「手応え」「手のうちを見せる」「手なずける」「手が早い」「手がかかる」「手を焼く」…。ざっと思いつくだけでも、日本語には「手」がつく言葉が多い。
  • 評論家の故・森本哲郎さんは著書「日本語 根ほり葉ほり」で「日本人は手を重視する民族で心まで託す。『手心』という言葉が何よりも正直に語っている」と書いている。
  • ひょっとしてその手心を加えようとしたのか。安倍首相の友人が理事長を務める加計(かけ)学園が国家戦略特区を使って学部を新設する計画である。森友問題の解明すらおぼつかないのに、またしても疑惑浮上。説明の手を抜いては火消しなどかなわない。
  • 石川啄木の歌にある。<よごれたる手を見る―/ちやうど/この頃の自分の心に對(むか)ふがごとし。>。渦中の人々の手は汚れてはいないのか。心に尋ねてほしい。

(2017-05-18 北海道新聞


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