〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

出版! 啄木歌集の謎に迫る《『一握の砂』『悲しき玩具』》


『一握の砂』『悲しき玩具』─編集による表現─
   大室精一 著 (株)おうふう出版

序(『一握の砂』『悲しき玩具』形成論の現在)
『一握の砂』、及び『悲しき玩具』 は魅力溢れる歌集である。その魅力の源泉は、刊行後百年以上を経過した現在においてなお、多くの読者に与え続ける「共感」の深さにあると思われる。例えばふるさとを懐かしむ歌にしても、又は初恋や青春回顧の歌にしても、或いは流離の旅の思い出の一齣にしても、我々は(啄木の人生に)自分の人生を重ね合わせながら感傷の世界に導かれるのが常である。
ここで「共感」という語を用いたが、この語句は私には特別の意味がある。それは………。


目次
『一握の砂』『悲しき玩具』─編集による表現─

序(『一握の砂』『悲しき玩具』形成論の現在)
第 I 部 『一握の砂』――編集による表現――
 第一章 序文の形成
  第一節 「啄木自序」の謎
  第二節 「椋十序文」の謎
 第二章 〈つなぎ歌〉の形成
  第一節 やはらかに降る雪
  第二節 むかしながらの太き杖
  第三節 秋に降る雨
  第四節 千鳥なく釧路
 第三章 「わすれがたき人人 二」の形成
  第一節 歌数「首」の意味
  第二節 歌集初出歌の配列意図
  第三節 路問ふほどのこと
 第四章 「真一挽歌」の形成
 第五章 音数律と推敲の法則
  第一節 『一握の砂』の音数律
  第二節 『一握の砂』推敲の法則
第 II 部 『悲しき玩具』――編集による表現――
 第一章 『悲しき玩具』の形成
  第一節 「第一段階」の歌群(3〜68番歌
  第二節 「第二段階」の歌群(69〜114番歌)
  第三節 「第三段階」の歌群(115〜130番歌)
  第四節 「第四段階」の歌群(131〜177番歌)
  第五節 「第五段階」の歌群(178〜194番歌)
 第二章 ノート歌集「一握の砂以後」の中点
 第三章 音数律と推敲の法則
  第一節 『悲しき玩具』の音数律
  第二節 『悲しき玩具』推敲の法則――近藤新説を踏まえて――
 跋
 初出一覧
 索引

『一握の砂』『悲しき玩具』 ─編集による表現─

  • 大室精一 著 (株)おうふう出版
  • 2016年12月1日出版 A5・416ページ 本体6,800円+税

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