〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「啄木の歌を聴いたことがありますか?」コンサート 10/8


[コマツナギ]


啄木生誕130年、相模原で8日に短歌のコンサート

  • 若き日の石川啄木(1886〜1912年)を励ました政治家がいた。「憲政の神様」として知られる元東京市長(現東京都知事)の尾崎行雄(咢堂(がくどう))だ。今年は啄木生誕130年。相模原市出身の尾崎と岩手出身の啄木とのつながりをひもといた同市の郷土史家、山田真也さんが「記念すべき年に啄木の歌を多くの人に知ってもらう機会にしたい」と、企画したコンサート「啄木の歌を聴いたことがありますか?」が8日、同市の相模原女子大学グリーンホール大ホールで開かれる。
  • 啄木は明治37年、処女詩集を出版するために上京。尾崎に詩集出版の協力を申し出るが、正業に就くよう説諭される。翌38年、啄木念願の処女詩集「あこがれ」が出版され、その巻頭言に啄木は「この詩集を尾崎行雄先生と故郷の山河に捧(ささ)げる」と記している。
  • また、日記「啄木日記」には「尾崎先生に寄付をもらった」という記述があり、山田さんは「尾崎が啄木の処女詩集の出版に協力した可能性が高いことが推定される」という。
  • 山田さんは、岩手県雫石町出身で啄木の短歌を歌うソプラノ歌手、田中美沙季さんを知り、尾崎と啄木のつながりを知ってもらいたいとコンサート開催を思い立った。啄木の短歌には、多くの作曲家が曲を付けており、田中さんはレパートリー約50曲の中から著名な20曲を選ぶ。首都圏では初めてのコンサートだという。


「啄木の名歌・名曲コンサート」

  • 会場 相模女子大学グリーンホール大ホール(相模原市南区相模大野4の4の1)
  • 2016年10月8日 14:00 〜
  • 費用:1000円(当日は1200円)
  • 問い合わせ (電)090-4709-5585(山田さん)



(2016-10-01 産経新聞