〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木は『彼女は嫌い』と、あからさまに書いた

キーン氏、柏崎で対談 センター開館3周年

  • 日本文学者のドナルド・キーン氏を招いた対談が19日、柏崎市文化会館アルフォーレであった。約900人の聴衆の前で、近著の評伝「石川啄木」を素材に国際啄木学会長の池田功・明治大学大学院教授と語り合った。
  • 「啄木は『彼女は嫌い』とか自分の心の底をあからさまに書いた。正岡子規など『私』のことを言わない同時期の詩歌とは違い、現代性を強く感じる」と啄木観を語った。
  • 東日本大震災をきっかけにキーン氏は日本永住を決め、日本国籍をとった。原発事故で全町避難となった双葉町の伊沢史朗町長は、「キーンさんは原発事故の惨状にも心を痛めているそうだ。対談を聞いて、日本人以上に日本的な心情の人だと実感した」と話す。(渥美好司)

(2016-09-21 朝日新聞