○都立駒込病院 栄養科
田端・文京地区ゆかりの文芸家たちの食事
「石川啄木 いかごはん」
駒込病院のある田端・文京地区には明治以降、たくさんの文芸家たちが集まりました。また、その中から、多くの名作が生まれました。 入院生活に潤いを持っていただけるよう、田端・文京地区ゆかりの文芸家たちの食事を再現し、治療食として提供しました。
いかごはん 〜石川啄木 献立〜
材料(2人分)
米 1合 水 1合分に相当する量
真いか しょうゆ みりん 生姜 昆布だし 糸みつ葉
作り方
1 いかは、拍子切り。生姜は皮をむき、すりおろす。糸みつ葉は茹でて、きざんでおく。
2 鍋にいか、しょうゆ、みりん、生姜、昆布だしを入れて、弱火で 2 時間程度煮込む。
3 米に、1 のいかを合わせ、通常の水加減で炊飯 する。
4 きざんだ糸みつ葉を混ぜ合わせてできあがり。
- 石川啄木(本名:一)は明治19年(1886 年)に、岩手県南岩手郡日戸村(現:盛岡市玉山区)に生まれました。文芸雑誌「明星」を愛読し、友人の影響で文学を志した啄木は、明治 40 年に函館へ渡り、文芸仲間である宮崎郁雨と出会います。以後、教員や新聞記者をしながら、釧路、小樽、札幌を転々とします。
- 翌年に上京し、金田一京助を頼って赤心館に下宿したのち、喜之床に移りました。文京区内の居住地では、歌集「一握の砂」「悲しき玩具」、詩集「あこがれ」など多くの作品を残しました。
- 啄木は下宿していた当時、一日に五回も出掛けて食べ歩いたり、一膳飯や牛飯、とろろ飯などを食べたエピソードを友人に語るなど、食に対しても関心があったようです(「一利己主義者と友人との対話」より)。
- 本日は、家族や文芸仲間と長く過ごした函館にちなみ、いかや昆布だしを使った「いかごはん」(または、昆布だしを使った卵雑炊)、好んだとされる北海道産の鮭やじゃが芋、菊坂にちなんで菊花を使った料理などを組み合わせてご用意しました。
(2015-12-16夕食 東京都立駒込病院 栄養科 )
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