〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

三橋美智也の美声 啄木をテーマに「瞼のふるさと」(昭和29)


[ハナニラ]


いわて歌紀行 (23)
 「瞼のふるさと〜南部牛追唄」 唄=三橋美智也
  夭折の歌人テーマ

  • 石川啄木(1886〜1912年)は、南岩手郡日戸村(現・盛岡市玉山区日戸)に生まれ、1887年、隣村の渋民村(現・盛岡市玉山区渋民)に移る。
  • 1910年「一握の砂」の三行分かち書きの大胆な表現によって、生活派の歌人として広く知られるようになった。
  • この啄木をテーマに〜石で故郷を追われた身でも/胸に抱いてる岩手山〜という流行民謡「瞼のふるさと〜南部牛追唄」が、山崎正作詞、山口俊郎編曲、三橋美智也歌唱によって1954(昭和29)年にレコードが発売された。わずか26歳で夭折した天才歌人の思いが、哀愁あふれる三橋の美声によって響く。


 「あゝ故里」 唄=三橋美智也
  葛藤の中、故郷偲ぶ

  • 「あゝ故里」は、啄木が故郷を離れて函館、札幌、小樽、釧路などを転々として東京へ。才能が世に認められない不遇の人生を〜花の咲かないわが運命(さだめ)〜花よいつ咲く男の胸に〜と、故郷を偲ぶ内容である。
  • 作詞は高橋掬太郎、作曲は吉田矢健治、歌唱は三橋美智也で1960(昭和35)年に発売。
  • 三橋による啄木の歌は「瞼のふるさと」「啄木旅愁」がある。

(2015-03-08 岩手日報>日曜さろん)
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