〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

石川啄木が訪ねたこともある三陸の津波碑

「後世への訓戒」津波碑 三陸沿岸に200基超

  • 三陸ジオパークの特色に挙げられるのが、東日本大震災をはじめとする地域の津波災害遺構のジオサイト、ジオポイントだ。被災した建造物遺構と並び、犠牲者の供養や鎮魂、教訓を刻んだ津波碑は本県三陸沿岸に200基超を数える。1896(明治29)年の「明治三陸津波」、1933(昭和8)年の「昭和三陸津波」、1960年の「チリ地震津波」、2011年の「東日本大震災」のそれぞれの惨禍の記憶を伝え、現代、後世へ警鐘を鳴らし続けている。
  • 宮古市重茂(おもえ)の里地区の震災の碑には「後世への訓戒」として「命はてんでんこ」と刻まれている。
  • 大船渡市の「嗚呼惨哉海嘯(かいしょう)」は同市吉浜の正寿院(しょうじゅいん)前に立つ。石川啄木は盛岡中3年の同年夏、担任富田小一郎らと沿岸を訪問。級友の船越金五郎は日記にこの供養塔を見学し、被災者をしのんだことを記している。
  • 山田町船越の「大海嘯記念」の碑は、表に「遠くへ逃げては津波に追付かる近くの高い所を用意して置け」「県指定の住宅適地より低い所へ家を建てるな」など五つの明瞭な教訓を刻む。

(2015-02-22 岩手日報

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