〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

〈…かの浜薔薇(ハマナス)よ今年も咲けるや〉啄木


[ハマナス]


天地人 東奥日報 2014年7月8日(火)付

  • 1892年夏、文豪・幸田露伴は野辺地から恐山へ向かった。その途中の横浜に至る間の光景が素晴らしい。「左に断えず海を眺めつ茫々たる原中(はらなか)を歩まするに、菖蒲(ショウブ)・〓瑰(ハマナス)(〓は「王」へんに「攵」)遠く近くに咲きにほひ、さまざまの禽(とり)の歌ふ声長閑(のど)けく…」(紀行「易心後語(えきしんこうご)」)。
  • 野辺地の愛宕公園に啄木の歌碑がある。〈潮かをる北の浜辺の砂山のかの浜薔薇(ハマナス)よ今年も咲けるや〉。これは野辺地のハマナスだ、と地元の人は信じている。

(2014-07-08 東奥日報

────────────────────────────────────