[オミナエシ]
天声人語 2014年7月6日(日)付
- 「すまじきものは宮仕え」だと、勤め人なら一度は思ったことがあるだろう。職場の理不尽に怒り、ときには悔し涙を酒でぬぐう。しかし次の朝には気を取り直して、勤め先に向かってまた靴をはく。
- 憤怒や涙の原因になるのは、往々にして上司だ。〈気の変(かわ)る人に仕へてつくづくとわが世がいやになりにけるかな〉の一首が石川啄木にある。啄木は朝日新聞の校正係だったから、小社の誰かのことかもしれない。
- どんな形であれ、職場の暴言が悲劇を招く過ちが繰り返されてはいけない。
(2014-07-06 朝日新聞)
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