〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

函館愛した啄木を語る ドナルド・キーンさんが講演

  • 米コロンビア大名誉教授で日本文学研究の第一人者、ドナルド・キーンさんが12日、函館ゆかりの歌人石川啄木の命日(4月13日)を前に函館市内で講演した。啄木の日記を研究した成果から「函館は啄木が最も愛したマチです」などと語った。
  • 演題は「日記にあらわれる啄木」。啄木は釧路や函館にいたころの様子をローマ字で日記に残しており、キーンさんはその中の一節を紹介しながら「啄木の日記は文学的で優れた名作」と評した。
  • 代表作「一握の砂」の巻頭歌「東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹(かに)とたはむる」は函館を題材にしていることに触れ、「函館で過ごした日のことをその後、たびたび歌に詠んだ」と語った。

(2014-04-13 北海道新聞