〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

斜面

  • 1912(明治45)年のきょう、歌人石川啄木は肺結核のため、東京・小石川の自宅で26年の短い生涯を閉じた。晩年の啄木は、亡くなる2年前に起きた思想弾圧の大逆事件をきっかけに日本の政治のあり方に鋭い目を向けるようになっていく。
  • 事件発覚から3カ月後、日本政府は条約を強要して韓国を併合し、植民地化した。日本国内が領土拡大に沸き立つ中で啄木はこんな歌を若山牧水主宰の「創作」に発表した。〈地図の上朝鮮国にくろぐろと墨をぬりつゝ秋風を聴く〉

(2014-04-13 信濃毎日新聞>斜面)