「啄木の親友」一代記を出版 小林茂雄に着目
- 近代文学研究家で国際啄木学会理事・事務局長の森義真さん(盛岡市)は「啄木の親友 小林茂雄」を刊行した。
- 盛岡中学で石川啄木の1学年下で、文学を通して交友のあった小林茂雄は仙台に進学し医師になった。啄木の作品や日記、書簡に登場する姿だけでなく、茂雄自身の著作などを丹念に調べ、生涯をたどった労作となった。
- 盛岡中学では盛岡市玉山区出身の歌人石川啄木の後輩。花郷、花京などの号で俳句や短歌を作った。啄木の歌集「一握の砂」には茂雄を詠んだ歌「近眼(ちかめ)にて/おどけし歌をよみ出でし/茂雄の恋もかなしかりしか」があり、小説「葬列」の登場人物、花郷のモデルになった。日記や書簡にも度々登場している。
(2012-11-03 岩手日報)