〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「忙人寸語」

  • 「はたらけど/はたらけど猶なおわが生活(くらし)楽にならざり/ぢつと手を見る」。詩人、歌人石川啄木の晩年の作である。没後100年の日本。世界に例のない経済成長を遂げたはずが、労働環境は啄木の赤貧時代に舞い戻ってしまった
  • 文学の道に希望を抱いたまま啄木は数え 27歳で、短い生涯の幕を閉じたが、名を残してあの世で救われた。現代の市井人は「はたらけど/はたらけど〜」の 31文字が重くのし掛かる。

(2012-10-28 千葉日報