2012-10-31 「忙人寸語」 啄木 広場 「はたらけど/はたらけど猶なおわが生活(くらし)楽にならざり/ぢつと手を見る」。詩人、歌人・石川啄木の晩年の作である。没後100年の日本。世界に例のない経済成長を遂げたはずが、労働環境は啄木の赤貧時代に舞い戻ってしまった 文学の道に希望を抱いたまま啄木は数え 27歳で、短い生涯の幕を閉じたが、名を残してあの世で救われた。現代の市井人は「はたらけど/はたらけど〜」の 31文字が重くのし掛かる。 (2012-10-28 千葉日報)