<ひと インタビュー>
貫地谷しほりさん
井上ひさしさん作の舞台「泣き虫なまいき石川啄木」に挑戦する貫地谷しほりさんにインタビュー。逆境の中、女の意地を貫く啄木の妻・節子を演じる。
- 啄木について感じたことは
「ろくでなし啄木」のほうは、啄木が周りを翻弄していますが、今回の「泣き虫なまいき石川啄木」は才能がないと悩んだり、妻に家出されて自殺を考えたり、やっかいな家族に翻弄されたりと結構情けない感じ。どちらも本当の啄木だと思うのですが……。
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- 自身が演じる妻・節子さんについては
一途で強くて度量の大きな女性です。おそらく啄木の浮気も知っていたはず。それでもなお夫の才能を信じて支え続けたわけですから。啄木にとっては妻であり、母のような存在だったのではないかと思いました。
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- 今回、啄木を演じるのは稲垣吾郎さんです
吾郎さんは吾郎色(笑)を醸し出していて、それが妙に啄木のイメージと合っていて、啄木ってきっとこんな感じなんだろうなと思わせてくれます。単に夭折の天才としてではなく、一人の生身の人間としての啄木を吾郎さんを通して感じ取ってもらえるはずです。(取材・文/井上理江)
(2011-10-05 朝日新聞>DO楽)