[ヤブラン]
劇団 "波" 京都公演
啄木の妻「節子星霜」
しのびよる時代閉塞
啄木とともに歩んだ妻節子の哀切のドラマ
劇は、啄木の死後まもなく、節子が千葉館山の施療院に身をよせ、啄木の日記や遺稿を整理しながら二人の越し方を回想するところからはじまる。
節子は、熱烈な恋愛で二人がむすばれた青春の日々、そして渋民村を追われて北海道をさまよった日々、……。
貧苦と病苦のどん底にありながら、厳しく自己とむきあい、最後まで啄木の成長を支えようと決意した、あの忘れえぬ夜のことを。
◎ 戯曲『節子星霜』によせて
別役 実(劇作家)
劇作家の使命は、言うまでもなく人間を描くことであるが、よく描かれた人間は必然的に、その人間の生きてきた時代を映し出す。そしてこの『節子星霜』ほど、その点を我々に伝えてくれる作品はないであろう。劇団 "波" サポーターズクラブ