[モミジバフウの実]
我を愛する歌
(P.56)
うぬ惚るる友に
合槌うちてゐぬ
施与をするごとき心に
ある朝のかなしき夢のさめぎはに
鼻に入り来し
味噌を煮る香よ
<ルビ>うぬ惚る=うぬぼる。合槌=あひづち。施与=ほどこし。欲り=ほり。来し=きし。
(P.57)
こつこつと空地に石をきざむ音
耳につき来ぬ
家に入るまで
何がなしに
頭のなかに崖ありて
日毎に土のくづるるごとし
[モミジバフウの実]
我を愛する歌
(P.56)
うぬ惚るる友に
合槌うちてゐぬ
施与をするごとき心に
ある朝のかなしき夢のさめぎはに
鼻に入り来し
味噌を煮る香よ
<ルビ>うぬ惚る=うぬぼる。合槌=あひづち。施与=ほどこし。欲り=ほり。来し=きし。
(P.57)
こつこつと空地に石をきざむ音
耳につき来ぬ
家に入るまで
何がなしに
頭のなかに崖ありて
日毎に土のくづるるごとし