[ノウゼンカズラ]
〈音読・現代語訳『あこがれ』石川啄木〉2 望月善次 沈める鐘その3分の2
尊い『秘密』を心として鳴っている鐘の音よ
二
朝(あした)に、夕(ゆふべ)に、はた夜(よ)の深(ふか)き息(いき)に、白昼(まひる)の嵐(あらし)に、擣(つ)く手(て)もなきに鳴(な)りて、絶(た)えざる巨鐘(おおがね)、―自然(しぜん)の胸(むね)の声(こえ)か、……
二
朝にも、夕べにも、また夜の深い息にも、真昼の嵐にも、[鐘を]撞く手も無いのに鳴り続け、(その音が)絶えることのない巨大な鐘よ、――(その響きは)自然の胸の声でしょうか、……
(2010-07-08 盛岡タイムス)
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