〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「倚りかからず」…倚りかかるとすれば


【山の炎】


「倚りかからず」

倚りかからず
 
 じぶんの二本足のみで立っていて
 なに不都合のことやある
 
 倚りかかるとすれば
 それは
 椅子の背もたれだけ

思わず背筋が伸びる。


ユーモアあふれる言葉もたくさんある。

 “あたし 蚤かダニになりたいの”(「笑う能力」)

 “車がない ワープロがない…… インターネット 見たこともない”(「時代おくれ」)
これは、ラップの世界。


茨木さんは昨年亡くなった。遺稿に、新婚の夜にうたった「どちらが先に逝くのかしら わたしとあなたと」という言葉があったそうだ。