〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

日記 「本家 啄木の息」より <2>

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日記 「本家 啄木の息」より <2>

 

(2002-12-31)


骨折日記-それから 「連続 1.000メートル泳ぎました」(5カ月後)

・Dr.
  *このような骨折をして、ここまで治ったのはかなり優秀。
 
  *怪我をしていない手とほとんど同じく動いている。
 
  (「 H.P. に書くんじゃないよ」と笑いながら先生はおっしゃいました。
   でも、書いちゃった!)

 

骨折日記-END 「お世話になりました・感謝します」(100日目)

・ワーイ!! ちょうど100日。
 
・骨折日記はひとまず閉じます。
 
・出来ないと思っていたことが出来たり、知らなかったことに出逢う(ある意味では)トキメキの毎日でした。
でも周りの方々には数知れずご迷惑をかけました。
 
・わたしの小さな心配や疑問にも、専門の立場で丁寧に答えてくださった先生や看護師さん。
 
・言葉にならないほどお世話になったり励ましてくれた、家族や周りの方々に感謝します。
本当にありがとうございました。

 

骨折日記-R 「過去は忘れ、望みは高く」(90-99日目)

・Dr.
  *この骨折は3年間くらいかけて治っていく。(顕微鏡で見るならば・・)
  
  *この間まで「治るの?」と不安そうな顔をしていたが、今は手首がそれだけ曲がる。
  
  *これからは、目標を高いところに置いて努力すること。
 
 
・第一指のしびれは消える。
 
・てのひらの感覚もほぼ普通に戻る。
 
・握力は、10キログラムくらいあれば日常生活に支障はないらしい。

  

 

骨折日記-Q 「今は天国」(78-89日目)

・Dr.
  *骨折した部分についてはきれいについている。
  
  *レントゲンに掌の骨の部分がボーッと写っているのは、まだよく動いていないから。
   日常動作でよく動かすこと。
  
  *固定を取って日が浅いうちに、たくさん動かして可動域を広げる。
   日が経つにつれてどんどん動きは悪くなる。
   グラフでいうと、ある程度上昇していくと、そこから先は横這いに近くなる。
   健康な部分でも同じ。動かしていなければ動きにくくなる。
   
  *人に曲げてもらったところまでは曲がる。
  
・毎朝起きたばかりは、指も手首も針金を通したようにガチガチ。
 でも金属抜去手術したばかりのころを思い出したら、今は天国。

 

 

骨折日記-P 「ドアの開閉ができる」(68-77日目)

・理療士の治療を受けた日は、腫れて熱を持って痛む。
 その期間が始めは3日も続き、だんだん2日になり1日になり、このごろは数時間で復活する。
 
・冷蔵庫、水道のコック、ドア(軽いところ)の開閉ができるようになる。
 
・てのひらの感覚は、薄いベールをかぶったように鈍い。
 たとえば髪の毛に触ると、普通の髪なのにごわごわしていると感じてしまう。
 
・蚊が飛んでいたので思わず両手でパンと打つ。
 蚊は逃げ、手はガンガンに痛くなる。
 

 

骨折日記-O 「成果が見えてくると楽しい」(60-67日目)

・ Dr.
   *レントゲン検査、問題なし。
  
   *手の腫れやしびれは、長く固定していたために循環が悪くなって起こる。
  
   *血液は手を上げ下げすると流れるが、動かさないでいると循環しにくい。
    しかしこの状態は必ず治る。
 
   *リハビリをよくやっているから指もよく動いている。
 
   *これからはリハビリの成果が見えてくるから楽しくなってくる。
 
・理療士による手首のストレッチ。
  手首の骨の動きが分かる。
 
・メニューに交代浴が追加される。(代謝をよくするため)
   温湯→冷水→温湯→冷水・・・→温湯で終わる。
   
・第一指のしびれは微かになった。
 

 

骨折日記-N 「リハビリテーション開始」(57-59日目)

・ 握力計で測ると「0キログラム」。本当にゼロからの出発。
 
*メニュー (血液循環をよくする。可動域を広げる。)
 
1 温浴
   暖まったら指と手首の曲げ伸ばし
 
2 ボール握り
   第一指を二指から離して強く握る
 
3 祈りのポーズ
   両手を合わせ、手のひらをピッタリつけたまま出来るだけ下に下げる
   左右の形が崩れないように注意
 
4 手首ひねり
   ドアノブなどを握り、肘は体側につけたまま手首を左右にひねる
   腰が逃げないように注意
 
5 マッサージ
   押す・もむ・さする
   指先から肩に向かって、刺激を与える
  

 

骨折日記-M 「金属を抜く手術をする」(52-56日目)

・(創外固定の)金属抜去手術。
(手術台に横になると突然、以前の創外固定手術のときに「サザンの曲をかけて」とリクエストしたことを思い出しました。『先生、あのときサザンのメロディは流れていたのですか? わたしには、記憶がないのですが・・・。』)
 
・Dr.
  *術後のレントゲン結果、骨折部は非常にきれいな状態でついている。
 
・看護師が「抜き取った金具」を渡してくれるが、丁重にお断りする。
 
・包帯を取る。
 
・右手までバスタブにつける。
 
・手首は頑固に屹立している。

 

骨折日記-L 「しびれが減る」(47-51日目)

 
・指部分のストレッチをよくやる。
 
・しびれは、第一指の先1センチ四方くらいの感じ。
 
・昼間に痛みで横になることは減った。
 
・創外固定のためネコの耳のようにとがっていた金具とも、明日でお別れ。

 

 

骨折日記-K 「OKサインができる」(40-46日目)

・Dr.
  *レントゲン検査の結果、関節部分の骨、順調。
 
  *(痛む理由)創外固定のため、関節を金属で止めているから、つれたり引っ張られたりする。
 
  *ストレッチは自分では甘やかしてしまうが痛いくらいやらないと効果が出ない。
   腫れたら冷やす。
   他の方法はなく、残念ながら今はその繰り返し。
 
・第一指の付け根あたりのしびれが和らいだような気がする。
 
・手術後、3週間経過。速めに右腕を上げ下げしても痛まない。
 
・第一指と第二指で○が作れる。
  

 

骨折日記-J 「新発見! 爪切りのこと」(36-39日目)

・抜糸
・Dr.
  *レントゲン検査の結果、折れた関節の部分に白いぼんやりしたものが育っている。
   それは「仮骨」で順調に快復しているのが分かる。
 
  *腕を下げるとジンジンしてくるのは、血液が急いで指先まで流れるから。
   痛くなったら手を挙げる。
 
  *いつも指をマッサージするとよい。
  
・新発見!
 今まで両足と右手の爪は、左手で切っていた。
 左手の爪だけが自分では切れないと思っていた。
 しかし、左手の爪は右足で結構きれいに切れる。
 
・第一指のしびれが気になってきて、重点的にマッサージを始める。
 
・始めのうち、文字は左手で書くと大きな字になってしまった。
 このごろは必要なほどの小ささで書ける。
 
・腫れている。
 

 

骨折日記-I 「夜中の友は“ラジオ深夜便”」(31-35日目)

・痛い日々が続いていたが、この数日明らかに痛みが減っている。
 
・腫れと痛みの状態が波のように変わる。
 
・腫れがひどい日は、ストレッチをやや控えて指を冷やす。
 
・両手指を交互に組み合わせられる。
 
・左で書く文字のかわいさに嵌っていっぱい書いてみる。
 
・怪我以来ずっと「ラジオ深夜便」を夜中じゅうの友としている。
 

 

骨折日記-H 「Dr.のアドバイス」(24-30日目)

・Dr.
  *ストレッチは、曲げたら必ず伸ばす。
   (例えば)一時間やったら一時間休み、というように必ず休憩を入れる。
   
  *ストレッチすると、むくみも出るし、指に熱を持つ。
   そのくらいしないとストレッチの効果が出ないとも言える。
  
  *アイスノンなどで冷やしてもよい。
   むくみや熱が少し冷めてきたらまたストレッチをやってよいという合図。
  
  *入浴はあまり熱い湯に入るとむくみやすい。
   循環がよくなるとむくむため、ぬるめがよい。
   
  *家庭でも病院と似た生活をする。栄養・運動(全身)・リハビリ・休養。
 

 

骨折日記-G 「ストレッチの方法」(21-23日目)

 ・病院の一日
 
 06:00 検温 おしぼり 茶
 08:00 朝食
 08:30 回診
 09:00 室内清掃
 10:00 検温 点滴 ガーゼ交換
 12:00 昼食 茶
 14:00 検査
 15:00 入浴(清拭)
 18:00 夕食 茶
 19:00 検温 点滴 おしぼり

 
・レントゲンの結果、良好。はれも少ない。
 
・Dr.「手首以外の関節の曲げ伸ばしを時間をかけて、少し痛くてもやる。」
 
  ストレッチの方法
   *一本の指の第一、第二、第三関節とひとつずつ、曲げ10秒、伸ばし10秒。
    ちょっと痛いところまで。(痛くないと効果もない。すごく痛いのはやりすぎ。)
 
   *肘は左の一指を右の肘の骨に当て、残りの4本の指を腕の内側に置き、テコの要領で肘を伸ばす。
    伸ばしたら必ず曲げる。
  
   *右手の挙上と指のマッサージは、無理しない程度にいつも行う。
 
・ネットより
「1日2回20分のリハビリ」というようなやり方から、日常生活の動作、毎日の生活がリハビリになるように改善する。
それによって、リハビリ時間が『ちょっとの時間がいっぱい』になり、筋力低下を予防する。」
 
「栄養状態が悪いと治癒に時間がかかる。」
 
「手指はもちろん肘,肩関節を動かす。」

 

 

骨折日記-F 「手術(創外固定法)する」(15-20日目)

・Dr.「不安定性が強く整復した位置が保てない。」
 
・手術(創外固定法)する。
 
・手術後、朝と夜、点滴1時間30分ほど。5日間続く。
 
・むくみ少ない。指よく動いている。
 
・Dr.「第一指のしびれは(骨折と関係していないので)必ずとれる。」

 

 

骨折日記-E 「入院持ち物」 

  現金(小銭)   爪切り   パジャマ  保険証   タオル

  Tシャツ  バスタオル   下着類  メモノート   石鹸   靴下  
  ペン   洗面器   カーディガン  マジック   ビニール袋

  サンダル  セロテープ   ティッシュ   ティーバッグ  
  輪ゴム   ウェットティッシュ   箸  腕時計   鋏   スプーン  
  置き時計   ヘアブラシ   フォーク  本   歯ブラシ   コップ
  鏡   湯呑み  ゲーム類   ラジオ          
             
     

: 基本的には旅行用の荷物と同じ
 
: 便利だったもの 
  ・ラジオ(部屋にテレビはあったけど、真夜中はラジオが良かった)
  ・鋏(切る機会は種々あり)
  ・サンダル(スリッパよりしっかりしていて、ちょっと売店にというときも歩きやすかった)
  ・コップ(ふたにストローのついているものは、吸い飲みの代用になる)
 

骨折日記-D 「字も書ける・ハサミも使える」(10-14日目)

・第一指のしびれは続く。ほか4本の指にしびれはない。
 
・一日ごとに、二、三,四,五指の第一関節まで常態の色に戻る。
 
・腫れが引きガーゼギプスが緩んだため、今までのギプスの上からガーゼを固く巻きなおす。
 
・痛めた手は爪の伸びが遅い。
 
・体全体は動かせるので、種々の運動を組み合わせて行う。
 
・左で書く文字は、けっこう気に入っている。
 
・ハサミは左手で、刃先だけを使うようにすると切れる。
 

 

骨折日記-C 「患肢挙上と指の運動は大事」(8-9日目)

・第一指がジンジンと一番しびれる。
 
・バスタブに入ると全身の血液のめぐりがわかるようだ。どんな部分も体は全部繋がっている。
 
・ネットでリハビリの具体的なページを見つける。
「患肢挙上と指の運動は重要で、これらにより浮腫をとり、循環を良くする。手首や指がむくまないように、繰り返し手を高く挙げる。(たとえば10秒間を1日最低50回、5回以上に分けて、など。)指がきちんと握ったり開いたりできるようにする。」
 
・自分なりのメニューを作りさっそく実行。
 
・手を高く挙げるのは比較的楽。指のグーパーは、限度が分からず悩む。
 

 

骨折日記-B 「腹筋ができる」(4-7日目)

・第一指から始まり、日を追って二,三,四,五指と順番に指先まで内出血。赤黒くなりパンパンに腫れる。
 
・指先のストレッチを続ける。
 
・腹筋をやったらできた。終わって数秒したら、骨折した手の指先まで血液の流れる感じがして感動。
 
・立っていると腕の重さですぐ疲れる。三角巾で吊っても重い。
 
・痒いときのため針金で「孫の手」を作ってもらう。まだ使うほどではない。
  

 

骨折日記-A 「骨折する」(1-3日目)

・転倒。
 
・レントゲンの結果、右手首骨折(橈骨遠位端骨折)。
 
・肘の上までガーゼギプス。
  
・Dr.「指の屈伸をすること。」
 
・できることは多く、できないことは少ない。
 
・「折る前よりも強くなった」という骨折記録をネットで読む。

 

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リハビリ

手首骨折後のリハビリ

  • 骨折後のリハビリはギプスを外してから1カ月間の適切かつ十分な関節可動域訓練がきわめて重要。
  • 固定を取って日が浅いうちに、たくさん動かして可動域を広げる。日が経つにつれてどんどん動きは悪くなる。 グラフでいうと、ある程度上昇していくと、そこから先は横這いに近くなる。
  • まず手指から前腕部までをお湯などで5~10分間温めてから徒手的に関節を他動的、強制的に動かす。
  • この関節可動域訓練は、いわゆる“ 痛みのない範囲内での可動域運動 ”では現状維持にしかならない。
  • この関節可動域訓練をしっかりと行えば、日に日に動かせる範囲が広がり、動かす際の痛みが少なくなる。毎日、時間をかけて、根気よく。 日に日に関節が柔らかくなって動きがよくなる。日常動作でよく動かすこと。 健康な部分でも同じ。動かしていなければ動きにくくなる。
  • 手の機能は日常生活をおくるうえでも職業的にもきわめて重要。

   

2002-08-13 夕方、ベルが聞こえて

 急いで電話に出ようとしたらヒグラシの声だった。「カナカナカナカナ」

 

2002-08-10 国際線の機内で

 アイルランドの人と隣同士になった。仕事で東京に行くという。「アイルランドは雨が多くてね。一年中、曇りか雨。日本はどうですか?」「仕事が忙しくて東京には一泊しかできない。オーストラリアの事務所にも行かなくてはならない。」機関銃のように話してくるのにバタバタしながら青息吐息、虫の息で応えた。

 全く知らない人なのに次々楽しそうに話題を見つけて話してくる。『コミュニケーションとは、こうでなくては・・』と思った。わたしの好きなアイルランド映画があったので、話はさらに盛り上がった。

 

2002-08-04 新札の顔が「啄木」だったら

 20年ぶりに5000円札と1000円札の顔が変わる。偽造しにくい顔を選んだというが、「もしも啄木だったら・・」と考えてすぐ自分で「ダメダメ!」と否定してしまった。お金に苦しんだ人生だったから。

 ところが野口英世樋口一葉も生涯お金の苦労をし、〈しょうゆ代も払えず面識のない人にまで借金を申し込み(一葉)〉、〈友人や親類に返すあてのない借金を繰り返した(英世)〉のだそうだ。

 

2002-07-27 啄木の手紙

 今日の新聞に啄木の借金の手紙が載っていた。
「現在懐中十二円と若干なり、誠に済まぬけれど 五、〇〇又々御願申上候。」
 筆者は「電話、電子メールと交信方法が変わり、文学者の書簡集を読む楽しみはどうなっていくのか。」と心配していた。そして「50年後に編集される書簡集には相変わらず啄木、漱石の手紙が集録されるに違いない。」と結んでいる。

 わたしは、どちらかというとインターネットやケータイの普及によってコミュニケーションは密に細やかになったと感じている。

 

2002-07-20 屈託の解消法

 水の中にいると、人類は水から生まれたという実感を持つ。体が水にくるまれている安心感。

 何か心にわだかまりがあって、そのことが常に頭の中でこだましているとき。
『ヨシッ!そんなに気になるなら10往復する間ずっと考え続けてやるぞ!』
1回‥2回‥3回‥4回‥5回‥6回……いつの間にかすっかり忘れていることに気づく。

 

2002-07-15 湿度が問題

 “暑さ”そのものには強いような気がするが、高湿度には弱く毎日ダラダラの汗と闘っている。ふ~!

 

2002-07-12 英語を学ぶ

 日本に生まれ育った日本人だが、英語の仕事をたくさんしている人。

「どうしたら、そんなに英語が上手になれるの?」と社内でよく聞かれる。

 「なかなかストレートに答えにくいけれど・・こう思っている。」と、言った。
『ギリギリ必要だから冷や汗をかいて必死で身につける』
『楽をしていつの間にかできることはない』

 わたしから見ると、爽やかに軽やかに過ごしているように見えるけれど、ビシッと重みのある言葉を聞いた。

 

2002-07-08 日本はきれい

 外国から日本に留学している人の意見を読んだ。

「日本の山や川、町がきれい。自分の国は産業開発を優先しているから、将来は全国土がゴミ捨て場になりそう。」「日本は環境整備に力を入れているし、住宅の前の花壇などに花を咲かせて、住民の環境に対する意識が強い。」

 『そうとばかりは言えないな・・』と思いながらも、プラス面を見てくれることはうれしいもの。