「江古田文学」第114号
特集・日本実存主義文学
はじめに 山下洪文
・私は誰か? そう問うことで、いまの「私」は死ぬ。
・それは自己を殺すことかもしれない。それでも私たちは、本当の自分に出会うため、この問いをやめることができない。
・生と死を賭さない文学など、文学の名に値しない。すべての文学が実存主義文学であるべきだ。だが…………
「私」への誘い〜実存主義文学論〜
石川啄木 ――あこがれが潰えても 正村真一朗
・本稿は彼の生涯を概観し、そこから私たちが生き、言葉を書きつづけるためのヒントを得ようとするものである。
・啄木は死してなお人に愛され、いまも愛されている。
・啄木は一世紀を隔てた私たちにも、つらく苦しい、思いどおりにならない現実の生活を、必死に生きることを教えてくれている。
・そして、また新たな、生きる力という双葉を、実存から芽生えさせるのだ。