学問の神様をまつる街・文京区湯島が秘める、花街の痕跡と「おばけ横丁」【連載】東京色街探訪(10)
学問の神様・菅原道真をまつる湯島天神で知られる文京区湯島。この地はかつて、また別の側面を併せ持っていました。紀行ライターのカベルナリア吉田さん(紀行ライター、ビジネスホテル朝食評論家)がその痕跡をたどります。
江戸時代から栄えた盛り場
天神様の境内を西に抜けると、春日通りに突き当たります。一帯は「切通坂」と呼ばれる急な坂道で、湯島から御徒町方面に向けて開かれた道だそうです。坂の途中には、石川啄木の歌碑が立っています。
――二晩おきに 夜の一時頃に 切通の坂道を上りしも 勤めなればかな――
啄木さんはかつて本郷三丁目交差点近くに間借りし、朝日新聞社の校正係として勤務しました。
2晩おきに夜勤があり、帰りは終電車で上野の広小路までは行けましたが、その先の本郷三丁目行き電車はもう終わっています。湯島天神の石垣をまさぐりつつ、何を思いながら、暗い切通坂を上ったのでしょうか。
切通坂をあとにして、天神様を背にして南へ進むと、湯島中坂上交差点に出ます。
(2021-11-03 urban life metro)
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