盛岡てがみ館でアニメにちなんだ企画展 「啄木と京助」の交流を紹介
盛岡てがみ館(盛岡市中ノ橋通1)で現在、開館20周年記念第62回企画展「啄木鳥探偵處(きつつきたんていどころ)-啄木と京助-」が開催されている。
- アニメは伊井圭さんによる同タイトルの推理小説が原作。展示は「啄木鳥探偵處」の原作やアニメに関する内容で始まり、啄木と京助の交流を出会いから盛岡中学校時代、東京の同じ下宿で過ごした時代、啄木の死後と順を追って紹介。後半はアニメに登場する野村胡堂、吉井勇、若山牧水、萩原朔太郎の4人と啄木の関係について取り上げる。
- 啄木や京助と同郷の文士としてアニメに登場するのが紫波町出身の野村胡堂。作中で胡堂は「頼れる兄貴分」として描かれていることから、展示では「盛岡中学校を中退して上京してきた啄木に忠告した」という実際のエピソードを紹介している。このほか、多くの文士が啄木に関する書簡や原稿などを書いていることから、啄木の「人たらし」な一面も感じられる展示となっている。
- 担当学芸員は「京助が啄木のことを支える様子はアニメや原作小説にも描かれているが、啄木が生きている間から死後まで京助は啄木の作品を広めようと支援を続けてきた。アニメにはフィクションの部分も多いが、作品を通じて2人の関係を知った人に『2人の交流は本当だったんだ』と共感してほしい」と話す。企画展は、9月27日まで。
(2021-06-09 盛岡経済新聞)