”啄木命日前に” 工藤玲音さんが初歌集 渋民出身の歌人<岩手・盛岡市>
- 4月13日は石川啄木の命日。
工藤「歌人の皆さん、一生に一度は夢に見るものかなと思っている。26という比較的若い年齢で、第一歌集を出させていただけて感謝している」
工藤「私は啄木に勝たなきゃいけないんですよ。啄木の年齢が、私の中で生きているうちに歌集を出すということで、勝てなくても勝負をしかけるというか」
- 啄木が亡くなった4月13日を前に、ついに念願の歌集「水中で口笛」を出版。題名には、青春時代に抱いていたある思いを反映した。
工藤「息苦しい思いで生活をどこかしていて、その気持ちを隠すように、平気なふりをして友達とたくさん遊んだりとか、本当は水中にいて溺れそうなのに、一丁前に口笛吹いているみたいな生活だったので、そういう生活のおかしさとか切実さみたいなものが入った1冊」
≪噛めるひかり 啜れるひかり 飲めるひかり 祈りのように盛岡冷麺≫
- 歌集には、高校時代から書き続けた短歌700首以上の中から316首を厳選した。その明るさはライバルとして意識する啄木への歌にも表れている。
≪働ければ 働くほどにうれしくて レモンジュースにレモン汁足す≫
工藤「『はたらけど はたらけど 猶わが生活 楽にならざり ぢつと手を見る』と啄木は結構労働でしんどいと思いながら働いてばかりだったけれど、『働けば働くほどに私は嬉しいぞ!みたいな、どうだ啄木!』っていう気持ちで詠んだ一首です」
工藤「啄木のことも素直に素晴らしい歌人だなと思うし、故郷のことも美しい光景だなと思うし、一歩進むために歌集を出して良かったと思う」
(2021-04-13 岩手めんこいテレビ)
https://www.youtube.com/watch?v=Y7AXdSCpHDs