〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「やはらかに柳あをめる北上の…」 啄木短歌をオレゴン州で読み解く

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ミモザ

風鈴から始まる私の短歌 ニコラ・ブレンダン

  • 1980年代、大叔父が日本を旅行し、札がぶら下がった風鈴をどこかで見つけて購入し、オレゴン州まで持ち帰りました。
  • 大叔父は、車庫の窓枠につるした風鈴の札を見上げて、「何が書いてあるかな」と考えていました。しかし、日本語が読めないし、オレゴン州の田舎には日本人がいないし、そのままにしていました。大叔父は家族に、風鈴は「家族の一人が冥土へ行く時に、自動的に鳴り出すといわれている」と説明しました。
  • 約3年前のある日、私は大叔父から「(風鈴の)札の文字を翻訳してもらえないか」と頼まれました。日本に短期留学したことがあった私は、少しだけ日本語を学んだことがあり、札の謎を解くことにしました。

 
 やはらかに柳あをめる
 北上の 岸辺目に見ゆ
 泣けとごとくに
 石川啄木
 

  • 石川啄木”は名前であることが分かりました。ですが、「あをめる」や「見ゆ」や「泣けとごとくに」など、文章の半分以上が理解できず、辞書で調べました。
  • 「~ごとくに」は「~のように」という意味であり、「見ゆ」はおそらく「見える」だろうと考え、「あをめる」は多分「青む」かなあと見当をつけました。

(2021-02-20 秋田魁新報

 

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