作家と作品に光当て10年 函館の文芸誌「視線」 記念特別号完成
- 函館の文芸同人「視線の会」は文芸誌「視線」の第10号となる創刊10周年記念特別号を発行した。編集長で元市文学館館長の和田裕さんは「道南、函館の文学に光を当てるような作品、作家を掘り起こしたいと意識し、発行を続けて10年。記念号にふさわしい内容になった」と話している。
- 巻頭詩は客員同人で詩人の麻生直子さん。評論では、同じく客員同人の近藤典彦さん(国際啄木学会元会長)が啄木の最晩年の姿を追った。また、水関清さんによる「復元『悲しき玩具』収載歌一覧・付表」は、啄木の推敲過程への理解が高まる。佐藤和範さんは「砂山影二の生涯」と題し、20歳で自ら命を絶った大正期の歌人にスポットを当てた。
- 編集を終えた和田さんは「これからも函館に根ざした雑誌であり続け、ゆかりのある人たちに声を掛け、厚みを付けていきたい」と話している。
A5判、202ページ。250部発行。一部500円で、川原町の三省堂書店で販売。問い合わせは和田さん(0138・32・6844)へ。(今井正一)
(2020-04-07 函館新聞)