〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木『最後の手紙』盛岡市に寄贈  妹の孫より

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啄木が妹光子に宛てた1908年の自筆書簡(岩手日報2020年2月19日記事より)

啄木の証し 故郷へ『最後の手紙』寄贈
  妹・三浦光子の孫、哲朗さん(神戸)

  • 盛岡市渋民出身の歌人石川啄木(1886~1912)の資料が18日、同市に寄贈された。妹三浦光子(1888〜1968)に母や自らの病状を伝える自筆書簡や、死の床で友人に代筆させた「啄木最後の手紙」などいずれも貴重な資料。同市渋民の石川啄木記念館(森義真館長)が収蔵し、今後公開する。
  • 資料は光子の孫哲朗さんが両親から受け継ぎ保管していたもので、書簡に加え啄木の写真や啄木の父・一禎の歌稿など合わせて9件15点が寄贈された。写真など未整理の膨大な資料も同館に託された。
  • 啄木から光子に宛てた書簡は3点。上京後の1908年7月18日付の手紙では文学での立身に挫折し、困窮する中での悲痛な思いを訴える。(上の写真)
  • 同館で寄贈式に臨んだ哲朗さんは「自筆の手紙は活字で読むより感じるものがある。若い人たちにぜひ見てほしい」と強調。森館長は「貴重な1次資料で、啄木の人間性や短歌の良さをより多くの人に伝えられる」と喜ぶ。
  • 資料は来年2月の収蔵資料展で公開予定。

    (2020-02-19 岩手日報

 


 

石川啄木の「ラストレター」盛岡市に寄贈/岩手

  • 盛岡出身の歌人石川啄木が亡くなる間際に妹に宛てたいわゆる「ラストレター」とみられている手紙など、複数の貴重な資料が18日、盛岡市に寄贈されました。
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今回寄贈されたのは、4人兄弟の末っ子で、啄木唯一の妹・光子の親族が保管していた手紙や写真などです。中でもこちらは、啄木が26歳という若さで亡くなる3週間ほど前に友人に代筆してもらい記した手紙で、現在の研究では「人生のラストレター」とみられているものです。兵庫県で暮らしていた光子へ母・カツの最期を告げるもので、「『みいが居ない』と言ふと、それ切り音がなくなつた」と、母が死ぬ間際まで光子を思いやっていたことをしたためています。


  • 光子の孫で神戸市在住の三浦哲朗さんは、「神戸の震災(阪神・淡路大震災)もあったが、その時もこの資料を抱えて飛び出した。かなり大事に、光を当てないように保存していたものです。活字よりも本物を、写真でもいいと思うが(実物を)見るのは全然違うと思う。特に若い人たちに本当に見てほしい」と語りました。

(2020-02-18 IBC岩手放送

 

動画あり

石川啄木の「ラストレター」盛岡市に寄贈/岩手 | IBC NEWS

 


 

啄木 妹へ悲痛な思い 三浦さん(光子の孫)自筆書簡など盛岡市に 21年2月資料展で公開へ

  • 光子は啄木と同じ渋民の宝徳寺に生まれ、兄らとともに北海道に渡った。名古屋の聖使女学院に学びキリスト教の婦人伝道師となって各地を回り、牧師の三浦清一と結婚。夫の死後は神戸愛隣館の館長として恵まれない子どもたちの更生福祉に当たった。
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1912年2月16日の書簡が書かれたのは、啄木が腹膜炎で入院し退院するも体調が戻らず、妻節子は肺カタル、母カツが結核を患っていた時期。啄木の苦しい現状への不満が記されている。


  • その他、1902年撮影と思われる「石川啄木写真」の原本、金田一京助が光子に宛てた書簡、光子が啄木の短歌を書いた掛け軸4点、父の一禎が光子やその夫清一に宛てた書簡、一禎の歌稿などが寄贈された。
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啄木ファンでもある三浦さん。「明治の文学の中でも青春の文学という言葉がぴったり。渋民の自然を歌ったきれいな歌もあり、何度読み返してもいいと思う」と語る。資料が今後盛岡で紹介されるに当たり、「啄木自身に関する資料はいろいろ展示されているが、妹の光子も社会的な活動をした人。そういうところもぜひ知ってもらいたい」と期待した。
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森館長は「一次資料が少なくなっている中、これほど貴重な資料が収蔵されて多くの人に見てもらえるのはありがたい。より啄木の人間性、誰にでも分かってもらえる短歌の良さを含め、いろいろなことを伝えられる」と歓迎。「全国から訪れる啄木ファンはもちろん、文字資料に親しみのない方にも直筆書簡など現物を見てもらい、啄木の息吹に触れてほしい」と語った。

(2020-02-19 盛岡タイムス)

 

啄木 妹へ悲痛な思い 三浦さん(光子の孫)自筆書簡など盛岡市に 21年2月資料展で公開へ | 盛岡タイムス Web News

 


 

小説売れず「親孝行充分出来ない」 石川啄木直筆の手紙 妹の孫が岩手の記念館に寄贈

  • 石川啄木記念館(盛岡市渋民)が、啄木直筆の手紙や写真など資料15点を、啄木の妹・光子さんの孫である三浦哲朗さんから譲り受けることになり、18日に寄贈式が開かれた。盛岡市から三浦さんに感謝状が贈られた。
  • 寄贈された資料には、啄木が光子さんに宛てた手紙やはがき3通が含まれる。22歳の啄木が、小説が売れず、自暴自棄になって送った直筆の手紙では「兄さんはあんまりえらい為に、金持にもなれぬし、親孝行も充分出来ない。お前だけ(で)も専心親孝行してくれ。この兄が頼むから、毎日毎日少しづつでも余計におつ(っ)母さんを慰めてくれ」と記している。
  • 三浦さんは父が亡くなった約6年前から「私が持っているよりも、管理がしっかりした公の施設に寄贈したほうがいい」と考えていたといい、「本を読まなくなった若い人たちにも見てほしい」と語った。同館の森義真館長は「直筆の資料を見ることで、啄木の息吹に触れて」と来館を呼び掛けている。資料の多くは2021年2月ごろから展示される予定。【山田豊

(2020-02-19 毎日新聞

 

小説売れず「親孝行充分出来ない」 石川啄木直筆の手紙 妹の孫が岩手の記念館に寄贈 - 毎日新聞

 


  

啄木の直筆書簡 妹の孫から寄贈

  • 石川啄木の妹の孫である三浦哲朗さんが、啄木直筆の書簡などを盛岡市に寄贈した。石川啄木記念館に収蔵され、一般向けにも展示される予定だ。
  • 18日、同館で寄贈式があった。贈られたのは、啄木が妹の三浦光子に宛てて書いた手紙や、兄姉に送った写真など15点。手紙には文学で身を立てようと上京した啄木が生活に困窮して自暴自棄になる様子や、結核を患う母を前にした苦しい胸の内がつづられた。

(2020-02-19 朝日新聞

 

啄木の直筆書簡 妹の孫から寄贈:朝日新聞デジタル