〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 大学入試問題に出題された石川啄木

全国大学入試問題正解 旺文社 2019
  宮崎大学


◎ 次の文章は、石川啄木『田園の思慕』の全文と歌集『一握の砂』所載の短歌である。これを読んで、問に答えよ。

  • 『一握の砂』所載短歌

 イ ふるさとの訛なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく
 ロ やまひある獣のごとき わがこころ ふるさとのこと聞けばおとなし
 ハ その昔 小学校の柾屋根に我が投げし鞠 いかにかなりけむ
 ニ それとなく 郷里のことなど語り出でて 秋の夜に焼く餅のにほひかな
 ホ あはれかの我の教へし 子等もまた やがてふるさとを棄てて出づるらむ
 ヘ ふるさとを出て来し子等の 相会ひて よろこぶにまさるかなしみはなし
 ト 馬鈴薯のうす紫の花に降る 雨を思へり 都の雨に
 チ ふるさとの土をわが踏めば 何がなしに足軽くなり 心重れり
 リ ふるさとの停車場路の 川ばたの 胡桃の下に小石拾へり


◎ 問
/本文中(略)の傍線部を、文中の語とイとリの短歌中の語を使用して説明せよ。
/ロハニホヘの短歌をすべてふまえて、それらに表現された心情を二百字以内で説明せよ。
/トとチの短歌を比較して読み、それらに表現された「田園と都会」に対する心情について百字以内で説明せよ。

 など。