〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 「俺は昨夜火星に行って来た」啄木の『火星の芝居』


[キョウチクトウ]


河北抄

「何か面白い事はないか?」
「俺は昨夜火星に行って来た」

  • こんな会話で始まる石川啄木の『火星の芝居』は奇想天外なSFショートショート。夢で火星人の芝居を見たという男が友人にとうとうと語って聞かせる。
  • その名の通り、火のように赤く見える太陽系第4惑星が、夜更けの南東の空でひときわ明るく輝いている。「今回は15年ぶりの大接近。明るさは半年前の約50倍にもなっています」と仙台市天文台
  • 次の火星大接近は2035年9月。人類にとって、火星はかなり身近になっているだろう。猛暑にあえぐ日本を避けて「火星の避暑地へ行って来ました」と言われても、ほら話ではないかも。

(2018-07-26 河北新報


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