貧困問題 国挙げ施策を
- 「はたらけど はたらけど猶(なお) わが生活 楽にならざり ぢつと手を見る」。石川啄木の『一握の砂』の初版が発行されたのは1910年。あれから100年余りが経過した今、インターネット上にはこの言葉を引用した投稿が多数出てくる。貧困問題を追ったテレビのドキュメンタリー番組には、働いても働いても楽にならないという派遣労働者の若者が登場し、「結婚は夢のまた夢」と打ち明けていた。
- 真面目に働く若者が希望すれば結婚でき、不安なく子どもを育てることができないようでは、国自体の持続可能性が危うい。日本の国の将来をどうするのかを考えるとき、格差の問題を避けて通ることはできない。経済や通商政策も同様だ。拡大ではなく縮小という視点で捉え直す必要がある。