今週の本棚・新刊
『日本国憲法の理念を語り継ぐ詩歌集』=鈴木比佐雄、佐相憲一・編
(コールサック社・1944円)
- 日本国憲法は1946年11月3日に公布され、翌年5月3日に施行された。公布から71年を迎え、改めて現憲法の存在意義を考える必要性が高まる中、この本は詩や歌、俳句の想像力と表現力で平和の意味や憲法の理念を考えようという実にユニークな憲法読本である。
- 登場するのは223人。金子兜太さんや山口修さんら現役の作家が多いが、石川啄木や与謝野晶子ら過去の作家の作品も多数収録した。
- 馬場あき子さん「されど日本はアメリカの基地日本にアメリカ基地があるのではなく」。金子兜太さん「集団自衛へ餓鬼のごとしよ濡(ぬ)れそぼつ」。
- 編者の佐相憲一さんは憲法記念日の翌日に生まれた。その名には平和憲法が一番との思いが込められた。(小)
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<収録作品の中より>
石川啄木
生きてかへらず
意地悪の大工の子などもかなしかり
戦に出でしが
生きてかへらず
人がみな
同じ方角に向いて行く。
それを横より見てゐる心。
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