〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

石川啄木は「ゲスの極み」! 実は強烈だった文豪たちの素顔

◯ cakes
 プロフェッショナルの本棚
話題の文豪ギャグ漫画『文豪失格』著者・千船翔子さんの読書遍歴をたどるインタビュー。

―― 新たにおもしろさに気づいた文豪は?
《千船》 宮沢賢治ですね。以前は、「清廉潔白」「まじめ」みたいな強いイメージを持っていて……。けれど『文豪失格』を描くにあたって、賢治のことを調べて、作品を読み始めたら、恥ずかしい側面が見えてきたんです。春画を集めてるのに、女性が苦手なところとか(笑)。

―― 今後『文豪失格』の中で出してみたい文豪は?
《千船》 原作との相談にはなるんですけど、私が今すごく興味を持ってるのは、……啄木ですね。石川啄木。私、この人大好き(笑)。おもしろいんですよ。いまのイチ押しですね。Twitterに小ネタとかも載せてるんですけど、読者さんの反応もいいので、可能であれば出したい。あの人も、相当話を盛られてるじゃないですか。でも、金田一京助に借りた金で遊郭に行きまくったり、そこでのプレイの様子をローマ字で書いた日記が残ってたりと……世間のイメージとぜんぜん違うのに!って思っていて。
「ゲスの極み啄木」(笑)。「確かにすごい人だけれど、こんな恥ずかしいところもあったんだよ、だから私たちにとって親しみやすいよね」っていう部分に、私は文学性を感じるので、そういう部分を作品に昇華させていきたいですね。
(2016-10-24 cakes)