啄木と賢治伝え続ける < 展望台 < 岩手日報
- 一見センセーショナルな見出しから資産家の息子の家出を興味本位、あるいは批判する立場で書いたものとばかり思い込んでいた。ところが実際は「現世(うつしよ)の帳(とばり)を払って『法』の為めに敢然と発心した年若き信徒よ…」と、賢治を感心な若者として褒める内容で、その門出に「幸多かれ」と祝福までしていた記事だった。ゴシップ記事を疑った自分を反省するとともに、温かな目で賢治の家出をとらえた約100年前の先輩記者から大事なものを教わったような気がした。
- ことし生誕130年の石川啄木と、同120年の賢治。自分が本紙創刊140年特集で「啄木賢治の肖像」を紹介することとなり、幸せを思う反面、2人の足跡を後世に伝え続ける役割もまた負っていると思う。(志田澄子)
(2016-07-16 岩手日報)