高知一の啄木ファン < ばん茶せん茶
不来方のお城の草に寝ころびて
空に吸はれし
十五の心
- 啄木の数ある歌の中で私が一番好きな一首である。たった三十一文字の中に無辺の情景を思い癒される。まだ見たことのない盛岡城の様子が目の前に広がって見える。
- 私の旅は日本の城巡り。1999年、51歳の春を機に少年時代からの夢の扉を開いて名城探訪の旅の途中にある。四国の人間なので南から順番に訪ね歩き、現在までに延べ168の城跡を眺めてきた。
- 啄木の世界を信奉する以上は盛岡不来方の土を踏まなければ本物になれないけれど、土佐清水から奥州盛岡まで最短でも1580キロ走り続けで20時間の遠距離である。
- 生涯を懸ける私の城巡りの金字塔は不来方城にある。(高知県 有沢二郎)
(2016-07-06 岩手日報)