〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

"これを「天職」と言わずして、何をか言わんや" エッセイ

「天職」に就く
   森 義真 (もり よしまさ)(石川啄木記念館館長)

  • 「天職」とは、手元の辞書によると、「天から授かった職業。また、その人の天性に最も合った職業」とある。現在私は盛岡市にある「石川啄木記念館」の館長として諸業務に励んでいる。
  • 平成25年12月、思いがけずチャンスが巡ってきた。石川啄木記念館の指定管理者・盛岡市文化振興事業団に嘱託職員として採用され、4カ月後には館長となった。それまでの経験と知識、それに国際啄木学会などの人的ネットワークをフルに活かすことができる仕事に就いたのだ。これを「天職」と言わずして、何をか言わんや、である。
  • それから、2年が経過した。記念館では企画展、啄木祭、啄木かるた大会などの数々を関係者とともに運営し、また、地元との交流、連携を深めている。啄木ウォークとバスツアーを実施し、参加者に新しい啄木の魅力を発見していただいている。
  • 平成26年春には、3冊目の著書となる『啄木 ふるさと人との交わり』を刊行した。今年生誕130年を迎えた啄木と生誕120年の賢治が拡げてくれた世界が、今、自分の前に大きく広がっている。

  「如水会報 No.1022、2016年4月号、一般社団法人如水会発行」

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